市民防災力

-うち続く大災害にどう備えるか-

松井 一洋 著 新書判/244頁
定価(本体1,200円+税)送料209円








 遠からず、またしても大災害がわが国のいずれかの地方に襲来し、かけがえのない人命を奪 い、大切な財産と築き上げた街を破壊する。
日本列島に住むわが民族の宿痾ともいうべき「不 条理な悲劇」は終わらない。  昨今の災害は、その発生や規模が不確実かつミステリー(人知では計り知れない)であり、 事前につまびらかなシナリオを描くことなど不可能だが、帰納的防災(過去の災害個所や教訓 の伝承)に関しては、地域の生活文化として、確実に備えることが求められる。
 阪神・淡路大震災以来の地域防災力向上活動のなかで感じたいくつかの課題とその方向性について述べた。













=主な目次=


まえがき

第一章 日本人の災害観と防災文化
減災社会を目指して
日本と西欧の自然と生活文化の原点
日本と西欧の災害観
東日本大震災からの復興を問う

第二章 地域防災プラットフォーム
防災の主流化
地域防災プラットフォーム構想
日常と非日常を逆転させる

第三章 企業防災とBCP(Business Continuity Planning /事業継続計画)
個人防災と企業防災
事業継続計画(BCP)
BCM~期待される防災マネジメント
新しい動き
防災対策スタンダード

第四章 巨大災害とLCP(Life Continuity Planning /命を守る人生計画)
人生の安全保障とは
リスクの不確実性と予防原則
BCPとLCPを比較する
リスクとともに生きる
自律的に生の物語を紡ぐ

第五章 災害情報とマスコミ
災害情報と災害報道
二つの大震災における『新聞研究』の論説比較
16年間で何が、どう変わったのか、変わらなかったのか
災害報道の未来

第六章 市民防災力の向上への取り組み
地域防災リーダーへの伝言
避難行動を検証するにあたっての前提
避難に関する情報の伝達と課題
自主防災組織と地域防災リーダーの役割
避難行動についての考察
さらなる防災力向上のために留意すべき重要事項
地域防災を推進する姿勢
市民防災力の重要性

■中国新聞オピニオン『今を読む』への寄稿から
⑴市民防災の時代~重なる惨事 伝える拠点を(平成26年9月9日付朝刊)
⑵熊本地震と地域防災~なぜ教訓は伝わらないか(平成28年5月17日付朝刊
⑶地域の防災体制~「意識改革」では間に合わぬ(平成28年10月25日付朝刊)
⑷広島土砂災害3年~防災・減災 発想の転換を(平成29年8月19日付朝刊)
コラム  中国新聞セレクトエッセイ「想」『忘れえぬシルエット』(平成30年8月22日付)
⑸豪雪と立ち往生~社会の仕組みに再考促す(平成30年3月13日付朝刊)
⑹災害とボランティア文化~むしろ若者から学びたい(平成30年7月17日付朝刊)
⑺西日本豪雨の教訓~早めの避難 後押しできぬか(令和元年4月22日付朝刊)
⑻水害の脅威~事前防災 どう実現するか(令和元年11月26日付朝刊)

あとがき